30歳→37歳♀・162cm・70kg

音楽療法士(補) 。AFP。社長業。年下旦那様。60年代音楽が好きな70年代後半生まれ。 胃が少し弱め。 眠りが浅め。 夜見る夢は、いつも色付き。

真実を見極める

帰宅後、テレビを点けると興味深い番組が流れていました。

シリーズ 音楽のチカラ「ピアニスト辻井伸行〜心の目で描く“展覧会の絵”〜」
NHK総合

全盲のピアニスト・辻井伸行さんが、この春ムソルグスキーの大曲「展覧会の絵」に挑んだ。心の目で見た絵のイメージをどう音で表現するか。辻井さんの葛藤と成長の記録。
全盲のピアニスト・辻井伸行さんが、この春新たな大曲に挑んだ。ムソルグスキー作曲「展覧会の絵」。今も実在する絵を見た印象を曲にした30分を超す長編だ。「実際に絵を見ることはできないが、心の目で見た絵の印象を伝えたい」。初めて本格的なコンサートツアーに臨んだアメリカで、試行錯誤しながら自分らしい「展覧会の絵」を創(つく)り上げていく、21歳の若きピアニストの葛藤(かっとう)と挑戦の密着ドキュメント。

Yahoo!テレビガイド

辻井サンの名前はテレビだったり、CD屋サンだったり、色んな所で目にしていて、興味を持ち始めていて、そんな時、偶然、深夜に流れていた読響との演奏会を録画して観たりしていました


自分は、ドキュメンタリー番組を見るのがスキで、「辻井さんって、どんな風に音作りをしていってるのかな」って、そっちの方に興味が向かっていったものの、日々の営みに流されていて、正直、ちょこっと(そういう興味を持っていたことを)忘れていました。


でも、今日、偶然出会った番組でグッと引っ張り込まれていきました。

自分の中では(あまり演奏を聴けてないケド)「辻井サン=天真爛漫で伸び伸びと弾くイメージ」があって、音作りも”自然に、ふわ〜と降ってくる”のかな、って思ってました。

でも、実際、悩んだり、落ち着かない様子を見せながら音作りをする辻井サンの姿を見て、「葛藤の中で自分の音を手に入れた時に初めて、あの伸びやかな音が生まれるんだな」って思いました。
正直、自分、あんまし「展覧会の絵」が好きじゃなかったんですが、この番組を見て、「ちょっと聴いてみようかな」って思いました。


テレビやCDだと、(当たり前かもしれないケド、プロなので)「完品」状態のものしか触れられなくて、私(達は、基本的に)その部分だけを見て、評価や判断をするワケで。
ただ、そこに行きつく迄に、血の滲むような努力を(きっと)されていて、そういう部分を感じさせない所に凄さを感じるし、「結果を出した=華やかな部分」ばかりじゃなくて、そこに行きつく迄大変な思いをされてきたコトを見落としちゃいけないな、って(このエントリーのコトを思い出しながら)番組を見終わりました。

再放送して欲しいな。
そしたらDVDに残したい。



あと、もう一つ。


辻井サンが(アメリカに着いてからも)音作りで悩んでいる時、(辻井サンが優勝した際、)ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールで2位を受賞し、良きライバルとなったYeol Eum Sonサンの演奏を聴きに行くシーンがありました。

「彼女は言葉で何かをアドバイスしたり」とか、そういうコトは無かったみたいなんだケド、彼女の演奏を聴いてから、それまで(音が掴めない為に)アメリカでの練習で弾いていなかった「キエフの大門」を弾き始め、辻井サンの演奏(している姿)が変わり、「音を手に入れたんだ」と思わせる場面がありました。

言葉じゃなかったから、むしろ「何かを得た」のかな、って思いました。


音を作る時、「一人でコツコツと」っていう作業がメインになるとは思うんだけど、(音楽に限らず)「人から受ける刺激」も重要で、大事なんだな、って思いました。


13th Van Cliburn Competition: Silver Gold

13th Van Cliburn Competition: Silver Gold